不動産相続で失敗したくない人へ!必要な手続き・費用・注意点を相続専門税理士が解説

不動産 相続

相続財産に不動産がある場合、どういった流れでどんな手続きをすればよいのかお悩みではないでしょうか。

この記事では不動産を相続する方に向けて具体的な手続きや注意点を、必要な項目ごとにわかりやすく解説しています。

始めに相続手続きの実務を、続いて相続した不動産を分割する方法、最後に不動産のタイプ別に相続のポイントを解説しました。

ぜひ早めにお読みになり、不動産相続のノウハウと知識を手にして後悔しない相続を実現してください。

1.不動産相続手続きの手順・書類・費用

不動産の相続に必要な手続きについて、初めての人にもわかりやすく説明します。最低限必須なポイントを「手順」「書類」「費用」の3つにまとめました。では、それぞれ見ていきましょう。

1-1.不動産相続手続きの手順

はじめに、不動産の相続手を含めた一般的な相続手続きの手順を解説します。

1-1-1.死亡届の提出

被相続人の死亡から7日以内に市区町村役場に死亡届を提出します。

1-1-2.遺言書の有無

被相続人が作成した遺言書があるかどうかを確認します。遺言書がある場合とない場合で相続手続きが変わります。

1-1-3.被相続人の財産の調査

被相続人の所有する財産を調査します。調査するのは、預金・有価証券・土地や建物などの不動産を所有しているかどうか、といったことです。

1-1-4.財産リストの作成

所有する財産のリストを作成します。この段階で、場所・広さ等の所有する不動産の詳細な情報も明確にしておきます。

1-1-5.遺産分割協議

遺言書がない場合は、遺産分割協議を開きます。遺産分割協議では、相続人同士で話し合って、不動産を含めた財産をどのように分割して相続するかを決めします。

1-1-6.遺産分割協議書の作成

協議決定した内容で、遺産分割協議書を作成します。この書類には、相続人全員の自筆署名と実印の押印が必要となります。遺産分割協議書への押印についてはこちらの記事で解説しています。あわせてお読みください。

1-1-7.相続登記手続き

不動産の名義を被相続人から相続人に変更する手続きを行います。「相続登記」という用語はこれから何度も出てきます。なので相続登記について説明しておきますね。(不動産相続登記についてはこちらの記事でも詳しく解説していますのであわせてお読みください。)

【相続登記とは】

どこにどれだけの広さの土地・建物があって、それを誰が所有しているのか」という不動産についての情報は、法務局が管理しています。いわば不動産のデータベースです。

したがって不動産の所有者が変わった場合は、登録情報を変更(名義変更)する必要があります。

不動産名義の変更手続きのうち、相続を理由とする変更手続きを相続登記と言います。

では続いて不動産の相続手続きで必要となる書類について解説をします。

1-2.不動産の相続に必要な書類

不動産相続手続きに必要な書類を表にまとめました。手続きの項目で説明した通り、不動産を相続したら相続登記をすることで、所有者が明確になります。

 書 類 名手に入る場所早期準備
1相続人全員の印鑑証明書市区町村役場 
2相続人全員の戸籍謄本(被相続人死亡日以降のもの) 
3被相続人の死亡時から出生時までの戸籍謄本
4被相続人の住民票の除票(本籍の記載のあるもの) 
5対象不動産を相続する相続人の住民票(本籍の記載のあるもの) 
6対象不動産の固定資産評価証明書 
7対象不動産の登記事項証明書法務局 
8遺産分割協議書相続人が作成 

ご覧のとおり多くの手続きがあります。取り寄せに時間を要するものには★印を付けました。時間がかかる書類の取り寄せは早めに準備したいものです。

正式な遺言書があり、遺言通りに相続登記を行うなら、1の相続人全員の印鑑証明書と8の遺産分割協議書は必要ありません。

つぎに不動産相続手続きにかかる費用を解説します。

1-3.不動産相続手続きの費用

不動産相続の手続きにかかる費用を解説します。主な費用は相続税と不動産登記の費用です。

1-3-1.相続税を計算する

はじめに相続税を計算します。被相続人の財産が一定以上の金額の場合は、相続税の対象になります。相続税がかかるのは相続財産の総額が相続税の基礎控除額を超える場合です。

では相続税と基礎控除額について、具体例で計算の練習をしてみましょう。

相続税の基礎控除額は、次の計算式で算出できます。

相続税の基礎控除額 = 3,000万円+600万円×相続人の人数

相続人の人数が多いほど基礎控除額は増えます。

具体例として、次の場合で基礎控除額を計算してみましょう。

・父・母・子ども2人の家族構成
・父が総額1億円の財産を残して亡くなった

相続人は母と2人の子どもの計3人です。

基礎控除額 = 3,000万円+600万円×3人 = 4,800万円

基礎控除額は4,800万円と計算できました。
(※この解説では、説明を簡略化するため「配偶者控除」を使わずに計算しています。ご了承ください)

相続財産の総額が4,800万円以下であれば相続税はかかりません。しかし今回の例では、相続財産の総額が1億円です。ということは、相続税を納めなければならないように見えます。ただ、そうなるとは限りません。

家族全体の相続税を計算するには、まず始めに相続人それぞれが法定相続分でいくら相続し、対する相続税がいくらになるのか、を計算し、そこからさらに定形の計算をして決定されます。

1-3-1-1.法定相続分の計算

今回は相続人が3人です。各自が相続する財産の法定相続分での分配率は以下になります。

【法定相続分】

・母(被相続人の配偶者)の取り分 →1/2
・子ども1の取り分→1/4
・こども2の取り分→1/4

1-3-1-2.課税対象総額の計算

相続税額を計算するためには、相続財産1億円から基礎控除額の4,800万円を引いて、課税対象額を割り出します。

【課税対象総額】

課税対象総額 = 1億 – 4,800万 = 5,200万

課税対象額に対して、各自の法定相続分を割当てますと、以下のようになります。

1-3-1-3.各自の課税対象額

【課税対象額に、各自の法定相続分を割り当てた相続金額】

・母(被相続人の配偶者)の取り分 5,200万✕1/2 = 2,600万
・子ども1の取り分 5,200万✕1/4 = 1,300万
・こども2の取り分 1億✕1/4 = 1,300万

こうして割り出した各相続人の課税対象額に、以下の相続税率速算表を当てはめると、各自の税率と控除額がわかります。

【 相続税率速算表】 

法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%
1,000万円超~3,000万円以下15%50万円
3,000万円超~5,000万円以下20%200万円
5,000万円超~1億円以下30%700万円
1億円超~2億円以下40%1,700万円
2億円超~3億円以下45%2,700万円
3億円超~6億円以下50%4,200万円
6億円超~55%7,200万円

※相続税率速算表は、国税庁が公開している情報です。
出典引用:国税庁

相続税率速算表を当てはめた結果、上記の相続人各自の税率と相続税額は以下となりました。

【各相続人の相続税額】

・母(被相続人の配偶者)の課税対象相続分2,600万なので税率15%、控除額50万円
相続税=2,800万 ✕ 15% – 50万円 = 340万円

・子ども1の法定相続分 1,300万なので税率15%、控除額50万円
相続税=1,300万 ✕ 15% – 50万 = 145万円

・子ども1の法定相続分 1,300万なので税率15%、控除額50万円
相続税=1,300万 ✕ 15% – 50万 = 145万円

【各自の相続税額を合計】

相続税額合計 = 340万円+145万円+145万円 = 630万円

相続税の合計額は 630万円となりました。今回は解説をシンプルにするため各種の特例は適用していません。が、実際の相続では特例を適用すると課税額がぐっと小さくなります。特例適用の結果、相続税がかからなくなるケースも多いです。中でも配偶者が適用できる相続税の配偶者控除は特に効果が大きいので、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。

※相続税計算は国税庁の情報を元に算出しています。
出典引用:国税庁 相続税

1-3-2. 相続財産に不動産があるときの手続きの難しさ

相続財産が預貯金だけなら、課税対象財産の計算はそれほど難しくありません。しかし相続財産に不動産がある場合は違います。不動産には定価がないので、その都度評価して価格を決めます。しかし不動産の評価、特に土地の評価は専門外の方には難しい行為です。にも関わらず、不動産の評価額と選んだ申告の方法により相続税の金額は大きく変わってきます

したがって、相続財産に不動産が含まれる場合は、専門家の力を借りることをおすすめしています。当法人でも初回無料でご相談を受けておりますので、ぜひご相談ください。

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また、弊社が制作したこちらの漫画では申告のやり方で相続税の金額が大きく変わった事例を解説しています。漫画も無料プレゼント中ですので、お気軽にお申し込みください。

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1-3-3.相続登記費用

不動産を相続するなら「相続登記」の事務手続きが必要です。

※ご注意
2021年に相続登記に関する法改正があり(2024年度までに施行予定)相続登記をしない場合に罰則が科される見通しです。

参考:法務省 所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し

相続登記には下記の費用がかかります。

【相続登記費用】 

登録免許税(不動産取得時にかかる税金。法務局に納める。)固定資産評価額合計×0.4%
登記事項証明書不動産1個につき600円
戸籍謄本類の発行手数料3,000円程度
郵送料200〜400円程度

相続登記の申請は自分でもできるのですが、時間がなかったり自分ではやりたくないといった場合は司法書士に依頼できます。司法書士へ支払う報酬分は上記費用とは別に必要です。相続登記の報酬費用の目安は5万円前後です。

1-3-4.相続登記の期限

つぎに、相続登記の手続きの期限を解説します。2021年に改正法が成立し2024年度までに施行見込みの民法・不動産登記法により、相続登記は相続を知った日から3年以内に実行することが義務化されます。

法律が施行されるまでは相続登記に期限はなく、土地や建物を亡くなった方の名義のままにしていても罰則はありません。

しかし相続登記をしないで放置していると、次のようなリスクとデメリットがあります。

1-3-5.相続登記をしない場合のリスクとデメリット

相続登記をしない場合のリスクとデメリットを4つにまとめました。

デメリット1:勝手に売却されるリスク

相続した不動産の登記をしていないと、他の相続人に勝手に不動産を売却される恐れがあります。登記していない不動産が売却された場合は自分の権利は主張できません。

デメリット2:売却したいときに売却できない

相続登記をしていない不動産の売却はできませんので、売却したいタイミングが訪れたとしても、売却できません。

デメリット3:不動産を担保にできない

不動産を登記をしていないと、担保を設定することができません。

デメリット4:登記費用が高額になるリスク

相続登記せず長期間が過ぎると、権利関係が複雑になり、次の相続が発生した時の登記費用が高額になる可能性があります。また登記そのものができなくなる恐れがあります。

このように相続登記をしないデメリットは多いです。法律で義務化される前であっても、相続登記は早めに行うことをおすすめします。

とはいえ、不動産が1つしかなく、相続人が複数いる場合はどうやって相続すればいいの?と疑問が生まれますよね。

そこで、この次で相続不動産を分割して相続する各種の方法を解説します。

2.相続した不動産を分割する方法

相続人が複数の場合は、分割して相続することもあるでしょう。不動産の分割には以下の4つの方法があります。

現物分割
代償分割
換価分割
共有

以上の4つです。

4つのうち、望ましい分け方は
 現物分割 → 代償分割 → 換価分割 → 共有 の順になります。

その理由と、4つの方法それぞれがどんな方法なのか、次から詳しく見ていきます。

2-1. 現物分割とは?遺産をそのままの形で分ける方法

現物分割とは、不動産をそのままの形で分割する方法です。例えば土地を2筆に分筆して、法定相続人である兄弟2人がそれぞれの所有にするという分け方です。(土地を分けることを「文筆」といいます。)

この場合、土地を半分に分けてそれぞれに利用可能な広さがあれば問題はありません。しかし分けた結果土地がとても狭くなる場合は、現実的に使用が無理になることもあります。こうした状況では別の方法を検討したほうがよいでしょう。

2-2. 代償分割とは?代償金額を支払う方法

代償分割とは、相続人のうち1人または数人に不動産をそのまま相続させるかわりに、他の相続人に対しては相続分に応じた代償金を支払うという方法です。

代償分割は、複数の土地や建物があって分割しにくい場合や相続人の中に不動産現物よりも現金で相続したいという人がいる場合に利用されます。

代償分割を選択する場合は代償金額を支払える資金力が必要です。

2-3. 換価分割とは?現金に換えた上で分割する方法

換価分割とは、相続した不動産を売却して現金に換えた上でそれを相続人で分割する方法です。公平に分割できる方法ですが、次の条件が必要です。

・その不動産に住んでいるまたは住む予定の相続人がおらず、不動産を明け渡せること
・相続人全員が売却に賛成していること
・納得できる金額で売却できること

また売却にあたって費用が発生することも考慮に入れておかねばなりません。たとえば、売却のために家屋の解体が必要になる可能性があります。となると解体するための処分費用が発生するわけです。さらに、不動産を売却して得た譲渡所得に対して所得税と住民税が発生します。

2-4. 共有とは?分割の見送りで結論の先延ばし

共有とは、不動産を相続人で共有するという方法です。

現物分割で土地を分けると「道路に面しているかどうか」「方角や日当たりはどうか」などの条件により、土地の評価が変わります。つまり均等に分けることは現実的には難しいのです。その点、共有を選べば現物分割とは異なり、土地の持つ条件による評価の差は生まれません。

しかし、共有は根本的な財産の分割ではありません。共有はいわば分割を先延ばしにしている状態です。共有状態は往々にしてトラブルの種になります。

たとえば共有不動産を売るときには共有名義人全員の同意が必要ですが、全員が売却に同意するとは限りません。このように、共有は後々トラブルを招く可能性があるのです。

2-5. 相続専門税理士から不動産の分割についてひとこと

相続専門の税理士としては、共有はできるだけ避けその他の方法で分割することをおすすめします。

つづいては不動産の種類別に相続のポイントをお伝えします。個人が相続する不動産のうち多いのが以下の3つです。

・土地
・戸建て住宅
・マンション

順番に解説します。

3.土地相続のポイント

土地を相続する際のポイントをご紹介します。

3-1.土地の相続で注意すべきこと

土地の相続において意識すべきことは以下の2点です。

・手続きのやり直しがきかない
・後から内容を修正することが難しい

3-1-1.「手続きのやり直しがきかない」とは

土地を売却した後に、「やっぱりやめたい」と思ったとしても、取り戻すことはほぼ不可能です。

3-1-2.「後から内容を修正することが難しい」とは

土地の価格には定価はなく変動します。たとえば売却後に土地価格が高騰する可能性はあります。しかし価格が変動した時点で売買取引をやり直したくても、できません。逆に売却後に土地価格が下がることもありますね。

相続人の間で充分に話し合い、後悔のない選択ができることがベストです。そのためには、不動産評価や取引に詳しい第三者から合理的なアドバイスをもらうことも役に立つでしょう。

信用できる第三者や専門家のつてがない場合、相続税申告を担う税理士経由で探すという方法もあります。私ども税理士法人ともにでも不動産鑑定士や不動産会社を業務パートナーに持っています。土地の売却や活用についてお困りのときはご相談ください。

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3-2.相続した土地の分割方法

土地のみを相続し分割が必要な場合は、2の「相続した不動産を分割する方法」のいずれかを使って分けることができます。

3-3.土地の相続で発生する費用

土地を相続した場合に発生する費用は下記のとおりです。

相続税1-3-1.相続税を計算する をご参照ください。(一定の要件により小規模宅地の特例が適用されると大幅に減税可能です。)
登記費用1-3-3.相続登記費用 をご参照ください。
固定資産税相続した翌年から毎年納税が必要です。(評価額が高い土地は固定資産税も高額)
所得税、住民税相続後土地を売却して利益が出た場合は売却の翌年度に納税します。

参考:国税庁 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)

4.戸建を相続するときのポイント

つづいて戸建て建築物を相続する場合のポイントをご紹介します。

4-1.戸建ての相続で注意すべきこと

戸建ての相続で注意すべき点は、複数の相続人がいるとどの分割方法を選んでもトラブルになりやすいことです。可能ならば、被相続人の存命中に話し合いを行い遺言書を書いてもらうのが理想的な戸建ての相続方法です。

また必ずしも法定相続分にこだわらず、相続人同士で調整するのも良い方法です。相続人の誰かが自己の相続分を譲渡することで、スムーズに収まるケースもあります。ぜひ検討してみてください。

どのようにすればスムーズに分割・相続が進むのかわからない場合は、相続専門の税理士にぜひご相談ください。スムーズな相続、家族がハッピーに円満に暮らしていく相続をゴールに税理士法人ともにでは年間200件以上の相続税申告をサポートしております。

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4-2.戸建てを分割して相続する方法

戸建て物件の相続では現物分割ができません。戸建てを分割する場合は、代償分割、換価分割、共有の3つのいずれかを選びます。

4-3.戸建ての相続で発生する費用

戸建てを相続した場合に、かかる費用は下記のとおりです。

相続税1-3-1.相続税を計算する をご参照ください。(一定の要件により小規模宅地の特例が適用されると大幅に減税可能です。)
登記費用1-3-3.相続登記費用 をご参照ください。
固定資産税相続した翌年から毎年、固定資産税が発生します。(評価額が高い戸建ては、固定資産税も高いです。)

注意点は、相続した戸建て住宅を空き家にして誰も住まずにいると固定資産税が6倍になる場合があること。
【参考】
東京都主税局:「特定空家等」に該当すると土地に対する固定資産税・都市計画税の税額が高くなる場合があります。
所得税、住民税相続後戸建てを売却して利益が出ると、売却の翌年度に納税が必要です。<耳寄り情報>
売却が空き家を相続した不動産であった場合は、条件を満たせば譲渡所得から3,000万円の控除を適用可能です。

参考:国税庁 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)

5.マンション相続のポイント

最後にマンションを相続する場合のポイントをご紹介します。

5-1.マンションの相続で注意すべきこと

マンションの相続で注意すべきことは、マンションの築年数が経過するにつれ売却や賃貸が難しくなることです。後になればなるほど、希望する価格で売れない、なかなか借り手が見つからない、といった問題が出てきます。

さらに所有するマンションに対しては修繕積立金や管理費が毎月発生します。居住予定がないマンションは人に貸して賃貸収入を得るといった固定費縮小策を検討した方がよいでしょう。将来誰も住む予定がないならば、早めに売却する方がいいかもしれません。

マンション相続の方針を決めるときには、不動産の相続や活用に詳しい第三者のチェックを入れることをおすすめします。

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5-2.マンションを分割して相続する方法

マンションを分割して相続する場合は、戸建てと同じく、現物分割以外の代償分割、換価分割、共有のいずれかで分けて相続することとなります。

マンションの場合は土地の所有権は持てますが、土地活用はできません。ここが土地や戸建ての相続とは異なる点です。

5-3.マンションの相続で発生する費用

マンションを相続した場合に、かかる費用は下記のとおりです。

相続税1-3-1.相続税を計算する をご参照ください。(一定の要件により小規模宅地の特例が適用されると大幅に減税可能です。)
登記費用1-3-3.相続登記費用 をご参照ください。
固定資産税相続した翌年から毎年、固定資産税が発生します。(評価額が高いマンションは、固定資産税も高いです。)
所得税マンションを賃貸し家賃収入を得た場合は、所得税の申告が必要になります。
所得税、住民税相続したマンションを売却して利益が出た場合は、売却の翌年に申告して納税する必要があります。
参考:国税庁 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき) 

6.まとめ

相続する財産に不動産が含まれる場合に、必要な手続きや費用の目安を解説しました。

不動産の相続は、現金や金融資産の相続より複雑です。その理由は不動産に定価がないためその都度評価して価格を決めることや、分割が簡単ではないことが関係しています。

不動産や相続人の状況により、ベストな分割方法、相続方法、活用方法は変わってきます。相続人全員が選んだ方法に納得していないとトラブルも生まれやすいです。

だからこそ、不動産を相続する場合は相続人だけで方針を決定せず、相続と不動産の専門家である第三者にご相談いただきたいです。

「税理士法人ともに」では、遺産相続でお悩みの方のご相談に、初回無料でご対応いたします。オンラインでもご相談を承っております。ぜひお気軽に不動産財産の相続についてご相談ください。

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